『タンニンなめし』とは?革製品に欠かせない、その製法を紹介
2023/09/16
革製品を扱う方や、革製品を好む方にとって、タンニンなめしという言葉はよく耳にするものです。革製品の製法には、様々な種類がありますが、そんな中でタンニンなめしという製法はとても重要なものです。この製法を用いることで、革製品は耐久性や柔軟性に優れるといわれています。そこで今回は、革製品に欠かせない『タンニンなめし』について、その製法をご紹介します。
目次
タンニンなめしとは
タンニンなめしとは、革製品製造・販売業界において一般的に行われている製法のひとつです。この製法では、植物に含まれるタンニンという成分を使って、動物の皮を柔らかくし、耐久性を高めた革を作り出します。 タンニンなめしの最大のメリットは、環境負荷が低いことです。一般的な化学なめしとは異なり、タンニンなめしは植物性の材料を使用するため、環境に及ぼす負荷が少なく、自然素材を使った製品を作ることができます。 また、タンニンなめしの革は柔らかくしなやかでありながら、弾力性があり、耐久性が高いため、長期間使用することができます。そのため、革製品をおしゃれだけでなく、機能的にも楽しみたいという人にとって、大変魅力的な素材と言えるでしょう。 今や環境に優しいというワードは、製品の魅力のひとつとなっています。そのため、タンニンなめしの革製品は、エシカル志向の高い消費者にとっても魅力的な製法となります。
タンニンなめしの種類
タンニンなめしは、革製品を製造する際の一般的な方法の1つです。この方法では、タンニンという天然の植物成分を使用し、動物の皮を加工して革を作ります。タンニンは、木の皮や果実などを含む多くの植物に含まれており、革を柔らかく、耐久性のあるものにするために不可欠な成分です。 タンニンなめしには、様々な種類があり、その種類によって革の質感や色味が異なります。一例として、オークタンニンなめしは、地中海周辺で古くから使用されている方法で、革に深みのある黒褐色を与えます。また、クロムタンニンなめしは、比較的短時間で革を柔らかくすることができ、明るい色味を出すことができます。 しかしながら、近年は環境問題に対する意識が高まっており、環境に配慮したタンニンなめしの種類も注目されています。たとえば、植物性タンニンなめしは、木の皮や果実などの廃棄物を利用し革を製造することができ、環境に優しい方法として注目を集めています。 革製品製造・販売業では、タンニンなめしの種類を理解し、選択することが重要です。顧客の求める質感や色味を考慮し、適切なタンニンなめしを選ぶことで高品質な製品を提供することができます。
タンニンなめしの過程
タンニンなめしは、革製品製造に欠かせない工程の一つです。この工程は、動物の皮をタンニンという植物由来の物質で処理し、革を作り出すための過程です。タンニンは、皮膚を硬くする効果があり、革を製造するうえでとても重要な役割を果たします。 タンニンなめしの工程は、まず動物の皮を清潔に洗浄し、そして皮表面を切り落とします。その後、タンニンの溶液に皮を浸し、数日間放置し、タンニンが皮に浸透するようにします。この過程でタンニンは、皮膚組織と反応し、革独特の柔らかさや強度を生み出すのです。 次に、革を乾燥させ、必要に応じて表面を仕上げることで、美しい仕上がりの革製品を製造することができます。このように、タンニンなめしは、革製品製造において欠かせない重要な工程であり、世界中で古くから使われている技術の一つです。 当社では、厳選された原料を使用し、職人が手作業で丁寧に加工するこだわりの革製品を提供しています。革製品の魅力をより多くの方々に知っていただくためにも、タンニンなめしについての知識を深め、品質にこだわる製品づくりを続けています。
タンニンなめしの注意点
タンニンなめしは、革製品を製造する上で一般的に使われる方法であり、天然の植物タンニンを主原料として使用しています。タンニンなめしには植物性タンニンと合成タンニンがあり、植物性タンニンは自然素材であるが、合成タンニンは人造素材であるため、環境問題があるとされています。 タンニンなめしはその特性上、時間がかかり、手間がかかることがありますが、製造された革製品は美しく、丈夫で長持ちするという利点があるので、多くの工房で使用されています。しかし、タンニンなめしにも注意点があります。 まず、タンニンなめしを行う場所は、換気が良く、水や熱い湯を使えるような場所が必要です。また、植物性タンニンは肌に接触するとアレルギー反応を引き起こすことがあるため、作業時には手袋や保護眼鏡を着用することが推奨されています。 加えて、タンニンなめしは革製品の耐久性を高める作業ですが、なめす作業には薬品が必要で、適切な処理が必要です。処理が不十分であった場合は、革製品の品質に影響を及ぼすことがあります。 以上のように、タンニンなめしは素晴らしい技術ですが、注意する点も多いので、革製品を手掛ける技術者は、注意深く作業することが必要です。